抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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社内業務の効率化を中心としたIT(Information Techonology)化に対し,人工知能やIoT(Internet of Things)を活用したビジネスモデルの変革や,他社との差別化,競争優位性の構築を図るデジタル化が実践されるようになった。本論文では,先進的なITの自社での活用をIT部門単独で行うのは困難であり,ベンダーなどへの過度な外部依存によって情報システム開発に対する主体性を失ったIT部門のデジタル時代における在り方を事例をもとに検討した。エネルギー業界は東日本大震災を機に国主導によるエネルギー改革が進められ,エネルギー企業A社では自社の競争優位を築くために経営戦略の1つにIT戦略を位置付けた。まず,副社長のリーダーシップの下,1)全体戦略,2)アプリケーション戦略,3)インフラ戦略,4)組織・マネジメント戦略,5)実行計画といったIT戦略の検討要素を明確化・明文化した。次に,IT戦略を具体化させるために事業部門とIT部門が協働で検討を行い,事業戦略と同時並行で立案を進めた。また,IT戦略検討のワーキンググループは事業部門のキーパーソンと次世代のIT部門のリーダー層を含め,50名以上の体制を構築することで信頼関係と経験を築き,結果的にIT人材育成の場となった。すなわち,激しく環境が変化するデジタル時代はIT部門を含めた企業変革の機会であるべきことを論じた。