抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本論では,断層の分布と深層崩壊との関連について報告した。推定される断層伸長方向にほぼ直交するようにγ線測定の測線を配置して,γ線強度異常区間を破砕帯幅と定義した。また,このγ線強度異常区間において岩盤の劣化状況を把握する目的で,弾性波探査・ボーリング調査を実施し,破砕帯では局所的に厚層風化帯が形成されたと考えられる事例を確認した。主として近畿地方で約50カ所でγ線測定によって239断層を抽出して破砕幅を計測した結果,断層数(N),破砕幅(FW)及び断層長(L)との間で2つの関係式が導かれた。これは断層の規模(破砕幅)が大きいほど断層長が長いが,断層数は少ないことを示している。内陸活断層で発生する地震の破壊面分布から,破砕幅が大きく断層長が長いほど,破壊面は深部まで分布し,厚層風化帯を形成しやすいことが判明した。また,断層数が多い地域ほど深層崩壊が発生していることから,土砂災害発生要因としての断層分布の把握は,崩壊場所の予測に関して重要である。