オーステナイト系ステンレス鋼火SUS304J1HTBのクリープ劣化

久布白圭司; 塩田佳紀; 野村恭兵

文献

J-GLOBAL ID：201702265199087599 整理番号：17A0565636

オーステナイト系ステンレス鋼火SUS304J1HTBのクリープ劣化

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巻： 66 号： 2 ページ： 179-184(J-STAGE) 発行年： 2017年
JST資料番号： F0385A ISSN： 0514-5163 CODEN： ZARYA 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：日本 (JPN) 言語：日本語 (JA)

火SUS304J1HTBは,高温強度に優れたオーステナイト系ステンレス鋼であり,ボイラチューブとして600°C級USCプラントに多数適用されている。ところで火力発電ボイラでは長時間使用後に配管の寿命評価などを行うことが多いため,材料のクリープ破壊メカニズムを解明することは非常に重要であるが,火SUS304J1HTBについては,組織変化に関する研究,材料強度評価,高温腐食などに関する研究は報告されているものの,クリープ劣化メカニズムについて言及した研究はほとんどない。そこで本研究では,火SUS304J1HTBのクリープ特性,およびその劣化メカニズムを明らかにすることを目的とした。研究の結果,以下の結論を得た。650°Cにおけるクリープ特性は,遷移クリープ,最小クリープ速度および加速クリープの3つの領域に分けられ,加速クリープは寿命の約0.1から0.3程度で生じ,寿命の大半が加速クリープであった。光学顕微鏡観察によるミクロおよびクリープき裂の観察の結果,寿命の0.47からクリープき裂が発生し,増加していくことが明らかになった。

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金属材料

引用文献 (23件)：

1) H. Semba, Y. Sawaragi, K. Ogawa, A. Natori and T. Kan, “Development of “SUPER304H” austenitic stainless steel tubes with high temperature strength for USC boilers”, Materia Japan, Vol.41, No.2, pp.120-122 (2002).
2) M. Sukegawa, M. Shiga, C. Asano, Y. Tobita and S. Kirihara, “Fundamental study on non-destructive detection of creep damage for 18Cr-Ni(SUS 304) steel”, Journal of Materials Science, Japan, Vol.34, No.387, pp.1478-1482 (1985).
3) L. B. Niu, A. Katsuta, M. Kobayashi and H. Takaku, “Initiation and growth behavior of creep voids in an austenitic steel with high ductility under multi-axial stresses”, ISIJ International, Vol.43, No.2, pp. 251-255 (2003).
4) NRIM/Metallographic Atlas/No.M-1/1999.
5) H. Tanaka, M. Murata, F. Abe and K. Yagi, “Effects of grain boundary precipitates on long-term creep rupture properties of SUS347H steel”, Tetu-to-Hagane, Vol.83, No.1, pp.72-77 (1997).

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