抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ゴム製品の品質上重要な要素となる製品内部に生じる気泡発生現象の機構の解明を目的として,ゴム製品内部の発泡をX線イメージング法によって動的に観察した。SPring-8のBL19B2およびBL46XUのハッチ内に設置した自作の加圧加硫装置を用いて,金型に設けた石英ガラス窓を通じて配合ゴム試料にX線を照射してX線イメージング画像を取得した。種々の時間加硫した試料の除圧後にゴムの内部で発生する発泡状態の動的変化を観察した。試料としてシリカおよびカーボンブラックを充填したSBR-BRブレンド加硫物を用いた。一般に,除圧から30~50秒後に発泡が開始し,時間の経過と共に発生する泡の数およびその直径が増大すること,また試料の加硫時間が長いほど泡の数が減少し,最終的な直径が小さくなることが分かった。最終的な泡の大きさには分布があり,直径が0.5mm程度までしか成長しない泡と数mmまで成長する泡があり,X線吸収係数を求めた結果から,成長する泡は内部気体密度が大きい水起源(水蒸気)であり,成長しない泡はゴム中に取り残された空気起源であると推察した。成長する泡の発生源である水を意図的にゴム中に練りこむこと,発泡を抑止する架橋をもたらす加硫剤を変量することにより両者が発泡現象に関与していることを実験的に確認した。水分含量を変化させても水分粒子の大きさは変化せず粒子の数のみが増大した。膨潤度の測定により加硫ゴム試料の架橋度を測定した。架橋度の増大と共に泡の直径および発生する泡の数が低下した。