抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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LC-MS/MSによる環境試料中の有機化合物の定量分析ではマトリックス効果への対処が重要課題となっている。そこで本研究では,LC-MS/MSによる河川水中農薬の多成分一斉分析におけるマトリックス効果の特性を明らかにし,各種対処法の適用条件を検討した。PCI法は,分離条件を変更した場合の農薬のマトリックス効果の変化を推察することができ,その変化は農薬によって大きく異なることがわかった。採取場所や時季の異なる試料ではマトリックス効果の度合いが異なること,また希釈法について検討したところ,30~50%のイオン化抑制を示す試料液は5倍希釈することにより10%未満の抑制にできることが確認された。さらに試料水の固相抽出操作を非酸性下で行うとイオン化抑制は減少し,添加回収試験も良好な結果が得られたが,非酸性下で固相に保持されないあるいは分解される農薬には適用できないことがわかった。以上から,安定同位体標識化合物による内標準法では,内部標準物質の選択の際には物質の保持時間とマトリックス効果の受け易さの検討が必要であること,河川水試料へのマトリックスマッチング法の適用は困難であること,また試料水の固相抽出時でのpHは対象物質に応じた調整が重要であること等が示唆された。(著者抄録)