抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
準天頂衛星システム(QZSS)の2018年度からの実用サービス開始に向けて,センチメータ級測位補強サービス(Centimeter Level Augmentation Service:CLAS)を開発している。従来のGPS(Global Positioning System)の測位精度は約10mであり,信頼性も保障されない。しかし,CLASは衛星測距データに含まれる各種誤差を補正するデータを準天頂衛星経由で配信することで,高い測位精度(水平;6cm)と信頼性を実現する。また,測位衛星の異常をリアルタイム監視するインテグリティ監視機能を持ち,測位情報の信頼性を確保することができる。CLASは,オープン仕様の衛星配信型の高精度・高信頼補強サービスとして世界初であり,各誤差のダイナミクスに応じた情報圧縮技術を適用して1/1,000のデータ圧縮を実現することで,伝送速度が低い衛星回線経由の全国サービスを可能にした。CLASでは,日本全国約300点の電子基準点網で取得した各測位衛星の観測データを用いて,主管制局で観測データに含まれる各種測距誤差を推定し,補正情報及びインテグリティ情報を生成する。これらの情報を準天頂衛星から放送し,測位受信機で各測位衛星の測距データを補正することで,高精度測位を可能にする。このシステムの開発では,海外を含む普及促進のために伝送フォーマットを国際標準規格に基づき新たに定義・規格提案中である。主要な仕様である高精度解を得るまでの初期化時間及び測位精度について評価を行い,仕様を満たすことを確認した。2017年3月から試験放送を開始し,早期の普及拡大につなげる。(著者抄録)