抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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<sup>14</sup>N核四重極共鳴(NQR)の線形については,大部分はあまり興味のない情報しか含んでいないが,ナノ結晶では何らかの予想外の挙動を示す。本研究では,尿素ナノ結晶の<sup>14</sup>N NQR線形をナノ結晶のサイズと構造の関数として,ab initio計算研究を行い,表面誘起の線形の広がりに注目した。これらの線形は,ナノ結晶中の各窒素サイトに対する電場勾配を別々に計算し,興味ある分子を,ナノ結晶中の他の尿素を表現する点多極子の適切な格子中に埋め込むことで個々の結晶場を考慮した。離れた分子の小さな影響は,ab initio的に計算した結晶内Sternheimer遮蔽を用いて,級数展開で見出した。2つの幾何構造をもつナノ結晶を考察した。すなわち,5~100 nmの特徴的なサイズをもつ球と立方体である。計算により,これら2つの構造に対する線幅には劇的な差異があることを示唆した。球形では,~10 nmで線幅に急激な低下が見られ,5 nmでの線幅は~11 kHzであるが,20 nmより上のサイズでは,線幅は実際上無視できる(<100 Hz)。一方,立方体では,10 nmでの12 kHzから,100 nmでの1.2 kHzまで,一定の1/サイズの減少が見られる。この解析は,薬物が何らかの種類のマトリックス中にますます埋め込まれていることの多い,結晶性薬物の<sup>14</sup>N NQR分光法にとって重要である。今回は理論解析のみであるが,本研究が将来の実験的解析へのガイドとして役立つものと考える。(翻訳著者抄録)