抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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過去数十年間に,先進国の環境政策と規制が大気の質を大きく向上させてきた。これらの政策・規制の導入を正当化するものは,新たな規制の影響を受ける最初の世代の大部分にとって費用が掛かるとされてきた福利に対する効果である。多くの研究が経済的観点から個人の福利へのこの影響を推定しようとしている。最近の様々なアプローチでは,非市場評価方法が使用されており,その中で,包括的に影響を評価する方法として,ライフ・サティスファクション・アプローチ(Life Satisfaction Approach:LSA)に関心が高まっている。これは個人の福利の実証的近似として,主観的幸福(SWB)の研究と自己申告によるの生活満足度(LS)の調査の最近の進展による。本研究で筆者らは,大気汚染の日々の変化が個人の生活満足度に反映される程度を定量化している。筆者らの分析では,SO
2の24時間濃度によって測定された大気汚染は,自己報告された生活満足度に影響を与えることがわかった。生活満足度アプローチを使用することで,環境条件に価値を与えることができる。大気汚染と収入の推定係数を用いて,大気質の変化に対する暗黙のうちの限界的な意欲を得ることができる。筆者らの分析では,汚染のわずかな増加によるマイナスの影響を補う年平均所得の割合はかなり大きく,使用したベースライン条件では,SO
2の濃度を1年間に1μgm
-3減少させるための暗黙の意欲は,カナダの年間平均家計収入の約1.1%である。標準偏差の1/2のSO
2レベルの増加に対する補償差は平均家計収入の約4.4%であった。現在のような研究の結果は,政策立案者が環境規制のコスト便益分析を改善するのに役立てることができる。