抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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大規模配列解析技術に基づく海洋生物学研究の現状と今後の発展について,著者の私見を中心に述べた。海洋における生態ピラミッドの底辺を支えているのは,微視的なプランクトンである。生物資源としてのプランクトンは,大型生物の栄養源である。それらは,海洋バイオマスの95%以上に相当する。地球史規模で見ると,我々の存在はプランクトンと密接に関係しているが,我々はプランクトンのことをどれほど知っているか?そもそもプランクトンはおよそ何種類いるかと言う疑問にすら,科学は長いこと答えられていない。こうした状況の中,微生物研究を大きく前進させているのが,微生物群集から核酸を抽出して配列解析を行う「環境ゲノミクス」である。これらの技術により,ピラミッドの底辺を分子レベルで包括的に理解できるようになってきている。今後は,海洋微生物生態系がどのようにして地球環境に関与し,逆に環境からのフィードバックが生態系にいかなる影響を与えるのかを理解するのが,海洋生物学の最重要課題の一つである。