抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
1855年の安政江戸地震による埼玉県川越市での被害調査を行い,入間郡において山崩れと地滑りのあったことを既に報告してきた。これまでの調査は主に既存の文献を中心としたものであったが,本研究では,新たに発見した金石文と古文書を加えて調査内容を拡大した。対象地域は川越台北部とその周辺低地である。川越台が載る川越城下では,川越城,喜多院,陽寿院及び愛宕神社での被害記述を読み解き,地震に対して比較的強いとされた洪積台地上でもかなりの被害のあったことが確認された。一方,台地端にあたる荒川,入間川の合流地点の低地では,より大きな揺れのあったことが想定されるが,具体的に残された記述は川越町村々惣代が提出した鷹狩中止の嘆願書のみであった。低地以外にも,台地の谷を埋め立てた埋没谷,台地と低地との境界の崖や急斜面では,強震動,液状化,斜面崩落など様々な災害の起きたことが想定されると同時に今後の災害との関係も懸念される。