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J-GLOBAL ID：201702269564451516   整理番号：17A0148472

二次イオン質量分析法による同位体イメージング: 樹脂切片を用いたラン共生プロトコーム細胞における生体元素輸送解析

著者 (1件)： 久我ゆかり (広島大学大学院総合科学研究科)
資料名： 表面科学  (JSSSJ)
巻： 37  号： 12  ページ： 604-609(J-STAGE)  発行年： 2016年 
JST資料番号： F0940B  ISSN： 0388-5321  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 近年,同位体検出が可能な二次イオン質量分析(SIMS)の高分解能イメージングを利用した同位体トレーサ手法が注目されている。本稿ではラン科植物ネジバナのプロトコームを用いて,菌根に共生する真菌からの炭素および窒素輸送を解析した研究について紹介する。試料はエポキシ樹脂包埋してSIMS測定に供し,プロトコームを非感染領域(分裂組織と柔組織)と感染領域に分け,感染領域においては菌毬の生長カテゴリー別に細胞単位で同位体比を分析した。同位体比は¹³Cおよび¹⁵Nともに感染組織より非感染組織が高く,菌糸から渡されたCとNが迅速に生長点に輸送されていること,また輸送量は菌毬の形成期より崩壊期が重要であることがわかった。アミロプラストおよび核小体における同位体の局在や濃度上昇率は異なり,CとNの異なる輸送経路が観察された。安定同位体トレーサ実験と組み合わせたSIMSイメージングは細胞・生物・生物圏機能の解析に有力な手法であるといえる。

シソーラス用語： *二次イオン質量分析 ,  *同位体存在比 ,  *画像処理 ,  ラン科 ,  *植物組織 ,  トレーサ法 ,  土壌菌類 ,  真菌類 ,  色素体 ,  核小体 ,  細胞内分布 ,  *物質移動 ,  生体試料固定 ,  *菌類
準シソーラス用語： δ13C ,  δ15N ,  アミロプラスト ,  *イメージング ,  *プロトコーム ,  安定同位体トレーサ ,  *安定同位体存在比 ,  *共生菌【菌類】 ,  菌根菌 ,  細胞内局在 ,  組織包埋

著者キーワード (10件)： orchid symbiosis ,  stable isotopes ,  C and N transport ,  secondary ion mass spectrometry ,  subcellular imaging ,  orchid symbiosis ,  stable isotopes ,  C and N transport ,  secondary ion mass spectrometry ,  subcellular imaging

分類 (3件)： 同位体存在比,質量スペクトル  (BH02030R) ,  質量分析  (CC03013N) ,  植物栄養  (EH02060B)

引用文献 (18件)：

• 1) S. Paracer and V. Ahmadjian: “Symbiosis: An introduction to biological associations, 2nd ed.” (Oxford Universty Press, New York, New York, 2000).
• 2) Y. Kuga, K. Saito, K. Nayuki, R.L. Peterson and M. Saito: New Phytol. 178, 189 (2008).
• 3) G. Natale, P. Lenzi, G. Lazzeri, A. Falleni, F. Biagioni, L. Ryskalin and F. Fornai: Frontiers in Cellular Neuroscience 9, 434 (2015). 10.3389/fncel.2015.00434.
• 4) K. Nayuki, B. Chen, R. Ohtomo and Y. Kuga: Microbes Environ. 29, 60 (2014).
• 5) K. Saito, R. Ohtomo, Y. Kuga-Uetake, T. Aono and M. Saito: Appl. Environ. Microbiol. 71, 5692 (2005).

タイトルに関連する用語 (10件)： 二次イオン質量分析法 ,  同位体 ,  イメージング ,  共生 ,  プロトコーム ,  細胞 ,  生体 ,  元素 ,  輸送 ,  解析