抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,中性紙化に伴う紙中硫酸バンド量の減少は,広く使用されているアニオン性表面サイズ剤のサイズ効果の低下を招くばかりか,内添で使用されるロジンサイズ剤のサイズ効果も発揮し難くなり,トータルのサイズ剤使用量の増加を引き起こしている。さらには紙中炭酸カルシウム量の増加に伴い紙表面から塗工液に脱落した炭酸カルシウムやそれに由来するカルシウムイオンの増加による表面サイズ剤の不安定化やサイズ効果の低下が新たな課題として浮上してきている。さらに,世界一の紙,板紙の生産量を誇る中国では,高湿度な気候において段ボールの強度を確保するために中芯銘柄では,耐水性付与のための表面サイズ剤と共に紙力剤として多量の澱粉が塗工されている。その結果,元々の用水の高い硬度に加え,塗工液には高濃度の澱粉と,その澱粉由来の有機酸および原紙から脱落した微細繊維などのアニオントラッシュが大量に含まれている。このような環境に適応すべく,表面サイズ剤のサイズ効果の向上に加え,炭酸カルシウムやそれに由来するカルシウムイオン,アニオントラッシュなどのイオン性夾雑物の影響低減,機械的安定性の向上などの課題を解決するため,分子構造,合成方法から見直しを行い,従来の表面サイズ剤とは分子構造が異なる新規表面サイズ剤を開発した。(著者抄録)