抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電動パワーステアリング(EPS)は,従来主流であった油圧パワーステアリングに比べて,約95%もの省エネルギー化が図れる点や,作動油を使用しないですむ点などから,地球環境に優しいパワーステアリングとして置き換えが進んできた。本報では,今までのNSKのEPS開発の取り組みを振り返るとともに,マン-マシンインターフェイスのもとに,ハンドル戻り性能を向上させる機能として開発をした,アクティブオンセンタリング制御について紹介する。ハンドル戻りの性能のほとんどは,タイヤからの戻し力と,タイヤからハンドルまでの機構上の摩擦などによる抵抗力との大小関係によって決まる。NSKは,タイヤの戻し力や機構部摩擦の大小によらず,安定した軌跡で直進状態に戻すことを目標に,新制御となるアクティブオンセンタリング制御を開発した。本制御では,単にハンドルを直進状態に戻すのではなく,安定した軌跡で,つまりは滑らかなハンドル角速度でハンドルを直進状態に戻すために,従来から実施していたハンドル戻り向上制御に加えて,車両および運転者による操舵状況にあわせて算出するハンドル角速度を目標値としたフィードバック制御を付与する制御構成とした。フィードバック制御を用いることで,目標ハンドル角速度に追従するように制御出力を調整することが可能となる為,路面状況の変化などでタイヤからの戻り力が変化しても安定したハンドル戻りを実現できる。車両実験の結果から,アクティブオンセンタリング制御が車両の操作性及び快適性に寄与していることを示した。