抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ハイブリッドループ量子宇宙論(LQC)における原始フェルミオン摂動の量子化を開拓した。スカラーインフラトンを源とする,空間的に平坦で均一かつ等方宇宙論に結合したDirac場を考え,Dirac場を摂動として扱い,それらを量子場理論の枠組みにおけるテスト場として扱った。また,フェルミオンのFock表現に対する最近の結果を,ユニタリー発展とバックリアクション効果に関係したDirac場の量子化のいくつかの性質を改善する目的で用い,この場の非均一性を生成消滅変数を用いて記述した。全系を考える代わりに,その作用を2次の摂動のオーダーで切断し,正準な定式化を構築した。特に,これは,この模型の大域的ハミルトニアン拘束において,均一セクターの寄与が2次摂動項によって補正されることを意味する。次に,均一幾何のループ量子化と非均一性のFock量子化とを併せ,全模型を量子化するためにハイブリッドLQCを採用した。物理的状態に対してBorn-Oppenheimerアンザッツを仮定し,摂動の量子発展に対するSchroedinger方程式をどのように求めるか示した。ここで,時間の役割は均一インフラトンが果たす。得られるDirac場の量子発展は,土台となる均一な幾何が同様に量子化されているにも係わらず,実際ユニタリーであることを証明した。注目すべきことに,このような発展において,フェルミオン場は均一幾何の量子モーメントの無限列に結合する。さらに,フェルミオン摂動の発展したFock真空は,Schroedinger方程式の厳密解であることを示した。最後に,フェルミオン場によって大域的ハミルトニアン拘束に導入される量子バックリアクションを詳細に議論した。完全のため,以前の仕事で調べた(ゲージ不変)スカラーおよびテンソル摂動を最初に含めた。