抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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金属ナノ粒子,微粒子,特に銅微粒子の電子部品部材への応用について,著者らの研究を中心に紹介した。貴金属ナノ粒子利用導電性インクの代わりに,近年,銅が検討されている。しかし銅ナノ粒子は,大気中で表面が酸化され易く酸化銅が形成する欠点がある。その一つの解決策として,表面保護が検討されている。本稿では,150°C以下の低温で焼結可能な銅微粒子の例を以下に紹介した。1)ゼラチン保護銅微粒子と二段階焼成,ゼラチン保護剤の存在下,酸化銅をヒドラジンで還元し,粒径が130nm程度の銅微粒子を作製した。これを用いた導電性インクは銅微粒子含有量約50wt%の高濃度の安定した分散液が得られ,ガラス基板上に塗布,空気中150°Cで熱処理(酸化的焼成),続いて3%水素/窒素中150°Cで焼成(還元焼成)する2段階法により銅微粒子を焼結して,2×10
-7Ωm(バルク銅の約10倍)の低抵抗率を得た。2)MLCC内部電極材料としての応用,3)酸分解性ポリマー保護銅微粒子,高分子保護剤ポリ(1,4-ブタンジオールジビニルエーテル)(BDVE)を使用,銅微粒子含量約50wt%の導電性インクが得られ,これにギ酸を10wt%添加,ガラス基板上に塗布した膜を150°Cの低温で高分子が除去され,銅微粒子の接合が促進され,抵抗率9×10
-7Ωmの導電薄膜を得た。3)銅錯体/銅微粒子混合インク,イソプロパノールアミン,ギ酸銅より有機銅錯体を形成,これに粒径が約0.8μmの銅微粒子を添加し,銅錯体/銅微粒子の複合MOD(有機金属分解)インクを調製,銅分率約65wt%のインクが得られた。これを熱分解焼成して得られた導電性薄膜は,抵抗率9×10
-6Ωmを示した。4)銅微粒子の接合材料としての応用,鉛フリー代替接合材料として,BDVE保護銅微粒子粉末を空気下,ホットプレスし,3×10
-7Ωmの低抵抗率を得た。