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J-GLOBAL ID：201702272595462157   整理番号：17A0507521

日光の歴史的木造建造物における新たな害虫モニタリング手法の実用性の検討

Report on a New Insect Monitoring Method in Wooden Historic Buildings in Nikko

著者 (6件)： 小峰幸夫 (東京文化財研) ,  原田正彦 (日光寺文化財保存会) ,  斉藤明子 (千葉県中央博物館) ,  佐藤嘉則 (東京文化財研) ,  木川りか (九州国立博物館) ,  藤井義久 (京大)
資料名： 保存科学  (Science for Conservation)
号： 56  ページ： 77-88,1(8)-1(9)  発行年： 2017年03月23日 
JST資料番号： Y0449A  ISSN： 0287-0606  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 輪王寺本堂を含む歴史的木造建造物が点在する日光山内地区では,主に木材を加害するシバンムシ類による建造物への被害が確認されているが,シバンムシ類の生態の詳細については不明な点が多い。この研究では,昆虫類をモニタリングする調査手法として,近年,注目されているフライト・インターセプション・トラップ(FIT)法を用いて,シバンムシ類が発生していると考えられる日光山内地区の歴史的木造建造物での調査を行った。また,一部の建造物については従来の捕集テープによる捕獲調査も行った。その結果,1~2週間に一回捕獲器を交換すれば大型のシバンムシ類を生きたまま捕獲でき,粘着物質がつかないため,同定作業は捕集テープよりも容易であることが分かった。FITによる捕獲は,飼育方法が確立されていない害虫の生態観察や生活史の解明に繋がるとともに,薬剤等の試験の「供試虫」としての利用が可能で,虫害対策の研究に役立つものと思われる。

シソーラス用語： *甲虫類 ,  太陽光 ,  捕獲 ,  調査 ,  建築物 ,  *栃木県 ,  *食害 ,  *監視
準シソーラス用語： シバンムシ類 ,  フライト・インターセプション・トラップ ,  *害虫モニタリング ,  昆虫食害 ,  日光 ,  *日光山内地区 ,  捕獲調査 ,  *歴史的木造建造物

分類 (1件)： 動物生態学一般  (EE03010W)

引用文献 (12件)：

• 小峰幸夫、木川りか、原田正彦、藤井義久、藤原裕子、川野邊渉:日光山輪王寺本堂におけるオオナガシバンムシPriobium cylindricumによる被害事例について、保存科学、48、207-213(2009)
• 小峰幸夫、原田正彦、野村牧人、木川りか、山野勝次、藤井義久、藤原裕子、川野邊渉:日光山輪王寺本堂におけるオオナガシバンムシの発生状況に関する調査について、保存科学、49、173-181(2010)
• 原田正彦、野村牧人、木川りか、小峰幸夫、林美木子、川野邊渉、石﨑武志:栃木県日光市山内・中宮祠・中禅寺の歴史的建造物を対象とした捕虫テープによる広域虫害調査について、保存科学、50、111-121(2011)
• 林美木子、小峰幸夫、木川りか、原田正彦、川野邊渉、石﨑武志:日光の歴史的建造物において捕虫テープ(ハエ取り紙)に捕獲された甲虫の集計方法と調査結果、保存科学、50、123-132(2011)
• 小峰幸夫、林美木子、木川りか、原田正彦、三浦定俊、川野邊渉、石﨑武志:日光の歴史的建造物で確認されたシバンムシ類の種類と生態について、保存科学、50、133-140(2011)

タイトルに関連する用語 (8件)： 日光 ,  歴史 ,  木造 ,  建造物 ,  害虫 ,  モニタリング ,  手法 ,  実用性