木材加工における残材量の推計に基づく木材フロー図の作成

古林敬顕; 住友雄太; 中田俊彦

文献

J-GLOBAL ID：201702273438023051 整理番号：17A1221224

木材加工における残材量の推計に基づく木材フロー図の作成

Wood Flow Chart for Japan: Material and Energy Utilization

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巻： 96 号： 7 ページ： 206-216(J-STAGE) 発行年： 2017年
JST資料番号： U1021A ISSN： 1882-6121 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：日本 (JPN) 言語：日本語 (JA)

本研究は,木材の素材から最終利用までの定量性を可視化した,木材フロー図を作図することを目的とする。木材フロー図は,国内の木材利用の現状を理解するために必須であり,木質バイオマスのエネルギー利用を含めた木材利活用システムの設計の基礎となる。まず,国内の製材,合板,集成材,プレカット,チップ,パルプの各工程の製品生産量,残材の発生量及び用途を,丸太や解体材・廃材等の供給量及び各工程の歩留まりに基づいて推計する。得られた値を,各工程及び製品の統計値と比較した結果,概ね一致することが示された。推計値を可視化して,2014年の木材フロー図を作成した結果,木質バイオマスのエネルギー利用は,木材加工の残材や解体材・廃材がおもであり,燃料材が国産丸太に占める割合は10%に満たないことが明らかとなった。また,各工程の残材は合計8.1百万m³発生して,チップ加工に3.3百万m³,自家消費に1.8百万m³供給される等,約95%が利用されること示された。そのため,木質バイオマスのエネルギー利用量を増加するためには,国産丸太をエネルギー利用することが求められる。また,木材自給率が向上することを想定した将来の木材フロー図を作成した結果,丸太の輸入量はゼロとなり,国内生産量の増加に伴い残材の発生量が増加することが示された。一方,パルプ用チップの輸入量は16.0百万m³となったので,さらに木材自給率を向上するためには,国内産の木材を使用してパルプ用チップを生産することが求められる。(著者抄録)

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林業政策 , 木質材料の製造・加工一般

引用文献 (21件)：

1) Biomass Industrial Society Network, Biomass white paper 2015, http://www.npobin.net/hakusho/2015/index.html (Last access: 2016.11.7):バイオマス産業社会ネットワーク,バイオマス白書2015, http://www.npobin.net/hakusho/2015/index.html (Last access: 2016. 11.7)
2) Austrian Energy Agency, Basic Data Bioenergy Austria 2012, 2012, http://www.energyagency.at/ (Last access: 2016.6.23)
3) Laura Sokka, Kati Koponen, and Janne T. Keranen, Cascading use of wood in Finland - with comparison to selected EU countries, 2015
4) Goh, C. S.; Junginger, M., Sustainable biomass and bioenergy in the Netherlands: Report 2014, 2014
5) Mantau, U., Wood flows in Europe (EU27), 2012

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