抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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背景:ヘビは鼻鋤骨器官が長けていると考えられている。彼らは,最も多様な脊椎動物群の一つである有鱗目である。成体のトカゲとヘビの鋤鼻器官とそれに関連する構造(涙管,後鼻孔溝,lamina transversalis anterior,cupola Jacobsoniなど)は,多くの解剖学的,組織学的,生理学的および行動学的に着目されてきた。しかしながら,これまでに,いくつかの解剖学的または細胞学的研究および簡単な調査に制約された,これらの構造に対する限定的な発生学的研究のみが実施されている。この研究の目的は,まず,組織学的研究に基づく3次元再構成を用いて,ヨーロッパヤマカガシの鼻鋤骨器官および関連構造の胚発生を検査し,次に得られた結果を他のヘビやトカゲの既知の論文に示されているものと比較することであった。結果:この研究では,5つの主要な発達過程,すなわち鼻腔からの鼻鋤骨器官の分離とその特殊性,キノコ体の形成,涙管の形成,cupola Jacobsoniの発生と鼻鋤骨器官神経との関係,感覚上皮の特殊化が含まれる。著者らの視覚化は,異なる胚段階での鼻腔,後鼻孔溝,涙管およびcupola Jacobsoniに関するVNOを示した。著者らは,後鼻孔が徐々に消失することを確認した。これは,この構造が成体のヨーロッパヤマカガシには存在しないことを示している。著者らの組織学的切片では,鼻鋤骨器官の感覚上皮の柱状部の高さが徐々に成長し,それらの間の空間が広がっていることが観察された。結論:他の有鱗類と同じように主要なヘビ類(Scolecophidia,HenophidiaおよびCaenophidia)は,VNOとそれに関連する構造形態に関して,いくつかのレベルで進化的に保存的であるようである。したがって,有鱗目の特定の群の成体状態と,ヨーロッパヤマカガシで観察される解剖学的および組織学的複雑性の特定の胚レベルを同化することが可能であった。これは,視覚指向の捕食動物から鼻鋤骨器官の特化した動物への有鱗目の進化的変化を反映していると思われる。著者らの説明は,解剖学的および組織学的レベルの両方で,有鱗目の将来の比較研究に有用な材料を提供する。(翻訳著者抄録)