抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2015年12月のCOP21において,「パリ協定」が歴史的な合意を迎え,その後の各国の速やかな批准により,2016年11月に発行がなされた。このパリ協定では,2050年から2100年のどこかの時期において,ネットで人為的温室効果ガス排出量をゼロとする目標が掲げられた。全米研究評議会におけるネガティブエミッション技術に関する報告書(NRC2015)では,ネガティブエミッション技術として,土地の管理,風化促進,鉄散布による海洋肥沃化,CCSを組み合わせたバイオマスエネルギー利用(BECCS),空気直接回収(DAC)と隔離の組み合わせ(DACS)が,挙げられている。また,ネガティブエミッション一般については,CO
2回収量のスケールアップに問題があるため,長期的かつ大規模に回収可能に向けた技術的なバリアを取り除くための研究開発が重要であるとしている。IPCCでは1.5°C目標に関する特別報告書を2018年に出版予定であり,その4章および5章において,ネガティブエミッション技術の機会とチャレンジ,及び持続可能な開発とのリンクについて扱うことが決まっている。このように気候変動対策と,2015年に国連で採択された「2030年に向けた持続可能な目標」の両立に向け,ネガティブエミッション技術に関する研究開発投資が,ますます重要となってきている。