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J-GLOBAL ID:201702275130525303   整理番号:17A0492672

DHX9はヒトゲノムへのAluの侵入により生じたRNAプロセシング異常を抑制する

DHX9 suppresses RNA processing defects originating from the Alu invasion of the human genome
著者 (11件):
資料名:
巻: 544  号: 7648  ページ: 115-119  発行年: 2017年04月06日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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転位因子は「利己的な遺伝因子」と見なされているが,さまざまな形で遺伝子の調節やゲノムの進化に寄与している。ヒトゲノムは半分以上が転位因子で構成されている。Alu配列は反復配列のSINE(short interspersed nuclear element)ファミリーに属し,ヒトゲノムには100万か所以上挿入されていて,ゲノムの10%以上を占めている。Alu配列は豊富にあり,進化的利益をもたらしている可能性はあるが,スプライシング受容部位として働いたり,mRNAの翻訳を阻害したり,ゲノム不安定性を引き起こしたりする恐れがあるため,宿主にとっては変異原となり得る。Alu配列はRNA編集酵素ADARの主要な標的であり,Aluエキソンの生成は核内リボ核タンパク質HNRNPCによって抑制されているが,逆向き反復Alu配列によって生じる巨大な二次構造が,核内でのRNAプロセシングに及ぼす幅広い影響は,まだ解明されていない。今回我々は,核内に豊富に存在するRNAヘリカーゼDHX9が,遺伝子の一部として転写された逆向き反復Alu配列に特異的に結合することを明らかにする。DHX9が失われると,環状RNAを生じる遺伝子が増えて環状RNA量が増加し,逆向き反復Alu配列を含むレポーター遺伝子の翻訳が妨げられ,影響を受けやすい座位では転写のつなぎ替え(エキソン間の新たな連結が起こり,大半はナンセンスRNAが生じる)が起こる。DHX9を生化学的に精製したところ,RNAに依存しない相互作用の相手は,構成的に発現しているADARアイソフォーム(p110)ではなく,インターフェロン誘導性を持つADARアイソフォーム(p150)であることが分かった。ADARとDHX9を同時に欠乏させると,二本鎖RNAの蓄積異常が増加して環状RNAの生産増につながり,これら2つの酵素に機能的な結び付きがあることが明らかになった。これらの知見から,進化的に保存されたDHX9の機能が浮かび上がった。DHX9はトランスポゾンの挿入によって生じた緊急の危険性を緩和する核内RNAリゾルバーゼとして働き,Alu配列が遺伝子発現の転写後調節装置として進化するのを可能にしていると我々は考える。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (2件):
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生物学的機能  ,  遺伝子の構造と化学 
タイトルに関連する用語 (4件):
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