抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高いS/N比での高感度観測が期待されるボアホール中に設置した歪計や応力計に対して,それらによる観測の信頼度を評価する方法について検討した。これらの計器は,膨張セメント材によって孔底に固定されるため,観測された値が周囲の岩盤特性を反映したものであるかどうかについての疑いがあった。そこで筆者らは,歪や応力の空間パターンによらない弾性不変量を観察することを提案した。筆者らのボアホール観測では,いずれの計器も,直交する水平2成分の組合せを1セットとした複数の計器セットから構成されている。この場合,それぞれのセットにおける(σ
1+σ
2)は,場のパターンによらない不変量であると考えられ,逆に,各セット間でこの値が一致するならば,(1)ボアホール周辺は一様な弾性体であり,(2)セメント固定は周辺岩盤と良好にカップリングしており,(3)各計器は正常な作動状態にあることが推測される。筆者らは,東濃のボアホール中の歪計および応力計の複数セットにおいて,2011年東北地方太平洋沖地震,2014年の遠地チリ地震及び潮汐応答に対して前記の期待不変量の一致度を調べた。その結果,いずれの計器セットにおいても当該量は,観測そのものの信頼度の高さを示唆する良好な一致を示した。