抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ソフトウェア品質の向上に関しては,古くから様々な技術が提案・実用化されてきており,ソフトウェア開発方法の進歩に伴う新たな技術の開発も進んでいる。一方,ソフトウェア品質を客観的に評価するための尺度についても研究が進んでおり,ソフトウェア品質モデルおよび品質特性が国際規格として規定されている(ISO/IEC25000シリーズ).これら個々の品質技術と,ISO/IEC25000シリーズで規定された各品質特性の間には,たとえば,この技術はこの特性の向上に特に効果があるといった関係性が当然存在し,これはソフトウェア開発において重要な情報となり得る。しかし,これまで,このような関係性を網羅的に明確化する試みは行われておらず,品質要求に基づく効率的な品質技術の選択の難しさ,品質技術の研究開発が必要な方向・領域の不透明さなどの課題があった。本稿では,個々の品質技術が品質特性に与える効果を網羅的に見える化することを目的として,品質技術と品質特性のマッピングを試みた。マッピングに当たっては,品質技術の網羅・体系化が必要となるが,世界で初めてこれを実現した日本発のガイドである「ソフトウェア品質知識体系ガイド(SQuBOKガイド)」を参照することとした。SQuBOKガイドとISO/IEC25000シリーズをベースにしたマッピングの結果,品質向上に寄与する技術を品質特性ごとに効率的に選択できるようになり,ツールとしても有効であることがわかった。また,マッピング結果の分析を通して,品質特性による品質技術の偏りからわかる拡充すべき技術領域,データ品質に関する技術の体系化不足,OSS活用の技法など最新技術の追加・体系化の必要性など,今後の課題も明確になった。(著者抄録)