抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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車椅子使用者の約9割の人が,危害や危険な経験をしていたという結果が報告されている。レインウエアは,傘がさせない人たちの移動にとって不可欠なものといえた。その使い勝手の問題点は,着脱のしにくさ(させにくさ),濡れた状態での取り扱いにくさ,蒸れやすさ等であり,日常生活で使いやすく快適なレインウエアを求める人が多かった。そこで,本研究は,介助者が着せやすく,着用者が快適な車椅子用レインウエアを開発することを目的とした。そこで,透湿性が異なる素材で試験着を制作し,障害のある人が日常生活でこれらを使用し,サイズ,防水性,介助者の着脱のさせやすさ,快適性,走行時の安全性を評価した。また,透湿性については,被験者の衣服内気候を測定し快適性を評価した。その結果,以下のことが明らかになった。1)デザインは,着脱性を考慮し,上衣と下衣の2部式とした。下衣はドットボタンを用い,長さの調節ができるようにした。上衣・下衣とも着脱性の評価は高かったが,若干の改良も行った。2)防水性・撥水性が高く,走行時の安全性は確保されており,前身頃のワイヤーを入れたことにより布に張りを持たせることができ,車輪への巻き込みを防止できた。3)透湿性が異なる素材で試作した両試験着とも,発汗すること無く快適な状態にあると考えられた。車椅子用レインウエアに用いる素材は,中程度の透湿性で快適であることがわかった。