抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アプリケーションの性能は,使用するリソースのレイアウトによって大きく変動する。これは遅延が大きいメモリ領域へのアクセス多発やリソース競合により発生する現象で,今日提供されているクラウドサービスの運用元でも生じる可能性がある。この性能劣化は広く知られているため,最適なリソースレイアウトを実現するための手法は数多く提案されている。また多くのクラウドサービスは仮想化環境上での運用が行われており,こうした環境では仮想マシン移送が利用できる。しかし,仮想マシン移送の実行によりリソースレイアウトの悪化が生じ,移送される仮想マシン(VM)のみならず,移送先のVMの性能も劣化することがある。これは移送VMの状況を考慮しないリソース割り当てが原因である。また既存のリソースレイアウト最適化手法はVM移送の実行を想定しておらず,それらを移送VMを考慮する形にアドホックに作り込むのはコストが高い。そこで本研究では,移送VMを考慮してリソースをレイアウトするための機構を提案する。VM移送による性能劣化を抑制するとともに,VM移送実行環境下において既存手法のレイアウト最適化ポリシーを容易に利用可能にする。提案機構をXen4.4.2に実装し,複数の既存最適化ポリシーを利用できるようにした。そしてVM移送が実行される環境下において評価実験を行ったところ,リソース使用状況やポリシーに応じたリソースレイアウトの最適化が行われており,VM移送直後の性能劣化を抑制できていることが確認できた。(著者抄録)