抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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プライベートブランド(PB)は,小売業の拡大とともに欧米において発展してきた。2015年実績で,英仏独等の欧州主要国でPB比率は30%を超えている。日本におけるPB比率は10%前後であり,小売業の上位集中度との関係が指摘されている。上位企業間の競争が激しくなるにつれて価格や商品での差別化の手段として,PBが活用されるようになる。日本でも徐々に小売業の上位集中度が高まっていることを考えると,PBの比率は今後高まっていくことが,考えられる。欧米ではPBを1つのラインではなく,複数の階層に分けて顧客のニーズに応じた商品展開を行っている。階層の分け方として,プレミアム(Best),NB同等品質(Better),バリュー(Good)といったような品質の視点や,価格帯の視点から3階層に分類することが多い。近年のPBの転機は2008年のリーマンショックに始まる。2008年以降の景気低迷を受け,欧米の消費者は節約・低価格志向を強めた。食品・日用品分野では,欧州を中心にPBに強みを持つハードディスカウンターが急拡大した。ハードディスカウンターによる品質の高いPBの登場により,価格が安ければ品質もそこそこ(Good)で良いというバリューラインのPBの考え方が通用しなくなってきている。そこで強化されたのが,プレミアムラインのブランドである。これに成功すれば,ハードディスカウンターとの差別化に繋がる。また近年,欧米ではPBにおける製品のライフサイクルやブランド管理の重要性が高まっている。