抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自動車に搭載したカメラやレーダ等により車両前方の走行環境を把握し,歩行者や車などの障害物と衝突しないよう警告や車両制動を行うシステムを予防安全システムという。損害保険料率算出機構では,予防安全システムを搭載した車両の保険料を低減する新たな施策を2018年から導入する予定を立てている。本稿では車載向け前方環境認識技術について,立体物検知,遠方車両検知,路面領域認識というトピックをもとに,小型ステレオカメラで用いられている技術と検知特性(検知例)を述べた。立体物検出では物体の多態性への対応として,車両(横向き),歩行者(夜間,しゃがみ,傘差し),荷物,側壁等,形状を限らない立体物の検出が可能であることを実際の事例をもとに紹介した。また,視差のみでは検知が難しい遠方車両については,視差情報と画像情報を統合することで小型ステレオカメラにおいても100m超の車両検知が可能となることを示した。路面領域認識についてはVLDH法を開発し,従来のU-disparity法に比べて安定して道路領域が検知・認識できる技術を開発した。ステレオカメラは,左右二つのカメラで見えている物体を種別問わず検知ができ,検知された立体物に対しても,画像という豊富な情報量を利用した高度な処理が組み込めるため,道路環境の複雑さや検知対象物の多態性に対応が可能であるという特長がある。