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J-GLOBAL ID：201702280784561183   整理番号：17A1040258

植物色素ベタレイン-分布,生合成および生理機能 謎に包まれた多機能性植物色素

著者 (1件)： 崎浜靖子 (北大 大学院農学研究院)
資料名： 化学と生物
巻： 55  号： 9  ページ： 582-584  発行年： 2017年08月20日 
JST資料番号： G0527A  ISSN： 0453-073X  CODEN： KASEAA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 食品着色料「アカビート(ビートレッド)色素」として使用されている植物色素であるベタレインの生合成経路や機能などの最近の知見について紹介した。ベタレインはベタシアニンとベタキサンチンの2種に分けられる。ベタレインの生合成経路や生合成遺伝子についてはまだ充分に解明されていないが,グルコシルトランスフェラーゼの酵素反応によると考えられている。次にベタレインの生理機能に関しては,ラジカル除去能や抗酸化機能を持つことが報告されている。また著者らはベタレインが活性窒素の消去活性を有し,DNA損傷を抑制することを見出した。これらベタレインの活性酸素や活性窒素の抑制作用による抗がん作用,抗炎症作用,酸化抑制作用などの研究が年々増加している。ベタレインの機能に関する研究は動物細胞において先行しており,植物細胞におけるものは少ないが,今後その生理学的機能についても明らかになることを期待した。

シソーラス用語： 植物色素 ,  *窒素複素環化合物 ,  食用着色料 ,  代謝経路 ,  フラボノイド ,  配糖体 ,  グルコシルトランスフェラーゼ ,  酵素反応 ,  酸化防止 ,  窒素 ,  抗腫瘍作用 ,  消炎作用 ,  二次代謝産物
準シソーラス用語： ラジカル消去活性 ,  ベタキサンチン類 ,  ベタシアニン ,  *ベタレイン ,  活性窒素 ,  植物二次代謝産物 ,  生合成経路

分類 (2件)： 植物の生化学  (EH01050J) ,  物質の代謝  (EH02050Q)

引用文献 (7件)：

• 1) M. I. Khan: Compr. Rev. Food Sci. Food Saf., 15, 316 (2016).
• 2) Y. Tanaka, N. Sasaki & A. Ohmiya: Plant J., 54, 733 (2008).
• 3) 作田正明:“植物色素フラボノイド”,武田幸作,齋藤規夫,岩科 司編,文一総合出版,2013, p. 413.
• 4) G. J. Hatlestad, R. M. Sunnadeniya, N. A. Akhavan, A. Gonzalez, I. L. Goldman, J. M. McGrath & A. M. Lloyd: Nat. Genet., 44, 816 (2012).
• 5) G. Polturak, D. Breitel, N. Grossman, A. Sarrion-Perdigones, E. Weithorn, M. Pliner, D. Orzaez, A. Granell, I. Rogachev & A. Aharoni: New Phytol., 210, 269 (2016).

タイトルに関連する用語 (6件)： 植物色素 ,  ベタレイン ,  分布 ,  生合成 ,  生理機能 ,  多機能性