抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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膨張材に関して,50年にわたる開発の歴史,市場動向,JISの変遷,作用機構,今後の展開について解説している。開発の歴史では,セメント硬化体の膨張現象と水和物の関係に関する研究の歴史を追うとともに,膨張材の起源として,1936年のPolietet Chausson社の開発品を挙げ,それから現在主流の遊離石灰-水硬性組成物-無水石膏系材料に至るまでの変遷を説明している。市場動向については,1989年から2015年までのコンクリート用膨張材の使用実績データから,製品口の減少と工事口の増加と言う大きな変化を,高性能な低添加タイプの膨張材の開発と,膨張材研究の進展の面から説明している。JISについては,1980年のコンクリート用膨張材のJISの制定から2017年の改正までを概説し,直近の2008年と2017年の改定対照表を示している。また,膨張コンクリートに関する日本建築学会と土木学会,NEXCOのそれぞれの規格を表にして比較している。作用機構については,膨張コンクリートのひび割れ抵抗性や曲げ耐力の向上の機構が解明されてきていることを説明している。今後の展開として,ひび割れ自己治癒機能への応用,膨張材への早強性の付与,収縮低減剤との併用,膨張材の表面改質技術による高性能化等を挙げている。