抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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漆は,古来より使われてきた天然樹脂塗料であり,我々に非常になじみ深いものである。現在に至るまで,高品質な漆の開発を目的として,漆の精製技術は種々検討されてきた。本研究では,生漆に約25%含まれる水分に着目し,薄膜旋回分散法を用いて分散を行い,漆液に対する分散度の効果,得られる漆塗膜の物性について検討した。その結果,分散における周速・処理時間を調整することで,水分量が生漆と同じであるにも関わらず,高光沢で高い透明性を有する漆塗膜を得ることが出来た。SEM観察の結果より,この特性は,漆中の水系粒子のサイズが小さくなる,つまり,高分散度であることに起因していた。また,水系粒子の高分散度により,漆塗膜が劣化した場合でも,未処理の生漆と比較して光沢を保持することがわかった。本研究では,生漆の状態で高光沢を可能にしており,加えて,短時間で均質な漆を提供できる方法であることから,新たな漆の活用に貢献できると考える。(著者抄録)