抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中部太平洋の熱帯域は,世界最大のかつおまぐろ漁場として知られている。主な漁獲対象魚種はカツオ,キハダ,メバチおよびビンナガである。これら4魚種の年間漁獲量は2014年に288万トンで過去最高を記録した。メバチの漁獲量は1990年代まで右肩上がりに上昇し2004年に過去最高の漁獲量約19万トンを記録した後概ね15万トン前後で推移していたが2015年には13万トンに減少した。メバチ成魚は主として延縄で漁獲され,幼魚は主としてまき網のFAD操業により漁獲されている。メバチ資源量は1970年以降急速に減少し2015年時点でのメバチ資源量は初期資源量と比較し17%まで減少している。本稿では,中西部太平洋の熱帯域で操業している17カ国の漁船を対象にFAD操業とメバチ混獲との関係について分析を行った。まき網の操業方法は,FAD操業と素群操業の2つに大別されるが,特に船齢の古く漁労装備が脆弱な漁船ほど漁獲が容易なFAD操業に依存しがちな傾向がある。まき網漁船の漁獲努力量をFAD操業から素群操業に移行させるためには次のような方策が有効であると考えられる。1)漁船のトン数制限や網の長さ制限の撤廃,2)漁網沈降速度を向上させるための大目網の導入促進,3)網裾からの魚群逃避確率を引き下げるためのパースウインチ能力の増大。まき網によるメバチ9割はFAD操業で漁獲されているためメバチの漁獲死亡を削減するためにはFAD操業を削減することが不可欠である。