抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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春ウド系品種は軟化茎の形態や品質に優れるが,根株の休眠性が強い。10~12月の伏せ込みでは,ジベレリンを用いた促成軟化栽培を行っても充分な休眠打破が難しく,収量・品質が低下するため,促成軟化栽培に適した品種の育成が求められていた。そこで,軟化茎の形態や品質は劣るものの休眠性の弱い寒ウドを育種素材に用いた交配育種を試み,F
1系統の作出と休眠性評価を行った。まず,花の形態の継時的調査および交配試験を行った結果から,ウドの花は雄性先熟の性質を有すること,雌性期の開花7日目が交配適期であることがわかった。次に,春ウド「都」と寒ウド「湖北系2」を交配して得たF
121系統および両親品種について,根株養成期および11月伏せ込みの促成軟化栽培における形態や品質に関する諸特性を詳細に調査した。その結果,休眠性,ジベレリン反応性,軟化茎の形態や品質など多くの形質において,F
1が多様な集団となることが判明した。F
1は概ね両親の中間的な弱休眠性を有し,ジベレリン反応性については両親より優れる傾向であった。また,F
1の中には軟化茎の収量や形態・品質の優れる系統があった。以上のことから,ウドの交配を適切な時期に行うことで,効率的な実生の作出が可能であることが明らかになった。また,「都」と「湖北系2」のF
1は,促成軟化栽培に適する弱休眠性品種を育成するための育種素材や,ウドの休眠性機構を解明するための研究素材として有用と考えられた。(著者抄録)