抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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気候モデルからは,21世紀の残りの期間の地球温暖化を予測する主要手段が得られるが,同じ放射強制力シナリオでも,モデルによる温暖化の見積もり結果には約2倍の差異が生じている。現在観測可能な気候システムの特性とシミュレーションで得られた将来の温暖化の規模の間の,モデルを超えた関連性から,予測に関する情報が得られる可能性がある。本論文では,地球の大気上端におけるエネルギー収支のいくつかの基本的な性質の大域的な空間パターンと予測された地球温暖化の規模との間に,モデルを超えたロバストな関連性が存在することを示す。観測結果を用いてモデルによる予測を絞り込むと,複数の主な放射強制力シナリオにわたり,概して将来の温暖化の平均値がより大きく幅がより狭くなるという結果が得られた。特に,最も急速な放射強制力シナリオに対する観測結果を加味した21世紀末の温暖化予測では,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって報告された補正されていないモデルによる予測と比べて,気温が約15%(+0.5°C)上昇し,2標準偏差の幅が約3分の1(-1.2°C)減少することが見いだされた。今回の結果は,どのような全球の気温安定化目標を達成するにも,これまでの計算結果よりも温室効果ガス排出量を急速に削減する必要があることを示唆している。Copyright Nature Japan KK 2018