抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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低緯度地域の珪藻層序の地質時代を決定するために,東部熱帯大西洋のDSDP第41節,366地点と369A地点における標準的な石灰質ナノ化石層序と珪藻化石帯区分とを再調査した。石灰質ナノ化石帯区分の時代を珪藻のそれに適用することにより,366地点と369A地点の珪藻化石帯を決定する幾つかの珪藻の生イベント(FO;初出現)の時代を検討した。すなわち,Baxteriopsis brunii(38.1Ma),Coscinodiscus excavates(33.6Ma),Cestodiscus reticulatus(32.9Ma),Rocella vigilans(29.8Ma),Rossiella symmetrica(29.5Ma)及びBogorovia veniamini(28.3Ma)である。これらの時代はこの2地点のみならず,古第三紀の珪藻を含む他の地点にも適用できる。さらに本論は2地点からの海生珪藻Chaetoceros属休眠胞子の分類と生存期間とを記載した。それには2新種(Vallodiscus truncatulus Suto及びXanthioisthmus Suto)とそれらの類縁種を含むと共に,シノニムリスト,光顕観察結果,全ての分類群への引用文献を伴っている。各珪藻種を算定した結果,堆積速度及びChaetoceros属休眠胞子の産出量と多様性は漸新世最初期(約32Ma)で急激に変化したことが明らかとなった。白亜紀後期から漸新世最初期にかけて南アメリカ大陸とアフリカ大陸が分離した時に,南極底層水を運搬する働きをする通路が生じて,底層水の流速を変化させることとなった。南方向の底層水と通路は堆積速度に影響して,始新世から漸新世にかけて富栄養の深海水はChaetoceros属の海洋生産性と生態を促進した。(翻訳著者抄録)