抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
近年,森林炭素フラックス観測の広がりによって,群落レベルの光合成についての理解は大きく進んだ。しかし,光合成産物の樹体内配分,特に菌根菌への炭素配分は寄主である植物の根と一括りにされて,あまり検討されて来なかった。しかし,根呼吸の多くの部分が菌根菌呼吸である可能性さえ指摘されており,菌根菌呼吸を含めての統一的な炭素配分についての理解が求められている。本稿では,菌根呼吸への炭素配分の概要と,菌根菌呼吸の野外リアルタイム測定手法について紹介した。著者らは,自動連続法及びコア法を用いて菌根菌呼吸を測定する手法を開発し,外生菌根性樹種が優占する森林生態系で,菌根菌呼吸を高精度で計測することに成功した。今後,こうした観測が広まり,森林炭素動態における菌根菌の役割の大きさが明らかになってくれば,菌根菌と根の呼吸を一括りにしている現在の森林炭素動態モデルの再評価が必要になる可能性がある。