抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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0.05~10.00eVの質量中心衝突エネルギー(E<sub>cm</sub>)領域における量子-振動回転状態選択イオン-分子反応に関する詳細な絶対積分断面積(σ)について述べた。3つの生成物チャネル,HCO<sup>+</sup>+OH,HOCO<sup>+</sup>+H,及びCO<sup>+</sup>+H<sub>2</sub>Oを同定した。測定したσ(HCO<sup>+</sup>)曲線[σ(HCO<sup>+</sup>)対E<sub>cm</sub>プロット]は,HCO<sup>+</sup>+OHチャネルの形成がポテンシャルエネルギー障壁のない発熱経路に従うという仮説を支持している。HOCO<sup>+</sup>+Hチャネルが最も発熱性であるが,σ(HOCO<sup>+</sup>)はσ(HCO<sup>+</sup>)よりも著しく低いことがわかる。σ(HOCO<sup>+</sup>)曲線は二峰性であり,HOCO<sup>+</sup>の形成に関する2つの異なるメカニズムを示している。σ(HOCO<sup>+</sup>)はE<sub>cm</sub><0.4eVで強く抑制されるが,(100)振動励起によりE<sub>cm</sub>>0.4eVで増強する。(000)および(100)の振動状態に関して決めたσ(CO<sup>+</sup>)のE<sub>cm</sub>の始まりは,既知の熱化学的閾値と極めて良く一致している。(100)および(000)状態のσ(CO<sup>+</sup>)曲線の比較とともに,この観察結果は,運動エネルギーおよび振動エネルギーがCO<sup>+</sup>チャネルを促進することに,等しく有効であることを明らかにしている。表題反応のポテンシャルエネルギー面,中間体,および遷移状態構造について,高レベルの非経験的量子計算も行った。この計算により,HOCO<sup>+</sup>形成のポテンシャル障壁が約0.5~0.6eVであることがわかり,したがって,観察された低いσ(HOCO<sup>+</sup>)及びその二峰性プロフィールの理由がわかった。E<sub>cm</sub>が0.5~5.0eVにおけるσ(HOCO<sup>+</sup>)のE<sub>cm</sub>増強は,直接的衝突メカニズムによるものとされるが,0.4eV以下の低E<sub>cm</sub>におけるHOCO<sup>+</sup>の形成は,HCO<sup>+</sup>とOHとの間の緩く結合する錯体の形成を仲立ちとするメカニズムが関与していると考えられる。提案した直接衝突メカニズムとこの錯体メカニズムによって,低E<sub>cm</sub>での振動抑制と,σ(HOCO<sup>+</sup>)に関して見られた高E<sub>cm</sub>での振動増強を理由づけできる。Copyright 2017 Royal Society of Chemistry All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST