抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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一宮市博物館が所有する江戸時代の陣羽織に用いられている金属糸についてその構造と材質を調査し,金属糸の特徴を明らかにした。具体的には,1)陣羽織の形態,2)金属糸について,3)調査対象物および分析箇所,4)調査方法(マイクロスコープによる拡大観察,蛍光X線分析による組成分析),5)調査結果と考察(マイクロスコープによる拡大観察の結果)について述べた。特に5)では,調査対象の38領の陣羽織のそれぞれについて,分析箇所,糸の形態,撚糸または平箔糸の色,平箔の幅,撚糸1本の直径,金属糸の撚り方,蛍光X線強度,金属糸の種類などの詳細な一覧や,分析箇所の写真像,金属糸のマイクロシコープ像を提示して考察した。本研究によって「金色を呈した金属糸の中には金箔だけでなく真鍮箔でできたものがあること,銀色や灰黒色,焦茶色を呈した金属糸の中には銀箔でなく錫箔でできたものが存在するといった新たな知見などが見いだされた。