抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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社会性昆虫であるクロオオアリ(Camponotus japonicus)の巣仲間認識機構の解明に向けた研究の成果について解説した。クロオオアリは日本列島に生息するアリでは最大の大きさを有する真社会性昆虫である。著者らの研究室でクロオオアリの触覚の感覚子の構造と分布を調査した結果,感覚子は女王と働きアリにはあるが雄アリには無いことを明らかにしていた。また巣仲間認識は女王と働きアリしか行わないことも見出した。これまでの他の研究者の検討から,巣仲間と非巣仲間の認識において,体表炭化水素刺激に対する応答の違いがあるという報告と,巣仲間認識は感覚順応ではなく,中枢における応答パターンの違いの識別にあるという2つの異なる報告がなされている。そこで著者らはこの相違について解明するために個々のニューロン応答を区別して解析することに取り組んでいる。これまでのところ体表炭化水素に対する錐状感覚子の受容ニューロンの応答特性についていくつかの知見を得ることができている。