抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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モンテカルロ法を用いた不確かさ評価が国際規格として発行してからすでに5年になる。モンテカルロ法は乱数を用いてシミュレーションや数値計算を行う手法の総称で,これまで複雑な物理現象の理解や最近ではプロ棋士に勝って注目されるコンピュータ囲碁にも使われる。本文では,EXCELを用いたモンテカルロ法による不確かさ計算について説明するが,実際に応用するにはマクロによるプログラミングが不可欠と考えることから,後半ではマクロの事例を中心とした。モンテカルロ法(MCM)とGUMでは,直接的に計算される対象が異なる。GUMでは,合成標準不確かさに有効自由度に対応した包含係数を乗じた区間として拡張不確かさが得られるが,MCMでは出力量の確率分布が求められ,分布に対応した包含区間として拡張不確かさが計算される。EURCHEM/CITAC不確かさガイドの附属書E.3.4では,EXCELのスプレッドシート上でMCM手順を実行する方法が紹介されている。モンテカルロ法を用いた不確かさ評価は統計の基礎や不確かさのより深い理解に大いに役立つと考えている。一方で,モンテカルロ法は自身で使ってみないと理解しにくい。モンテカルロ法を実行するにはいろいろな手段があり,統計の専門家ではRという統計専門のソフト(無料配布)が多く用いられているが,筆者には常日頃データ処理に用いるEXCELが入り口として最もとっつきやすかった。どちらを利用するにしてもプログラムを自身で作成できないと応用が限られてしまう。