抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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IMOのNOxに関する規制は附属書VIで定められ,1次規制から3次規制まで規制値が段階的に強化される。3次規制では,2016年1月1日以降に建造され,かつ排出規制海域(ECA)を航行する船舶のディーゼルエンジンが対象となる。規制値は1次規制からさらに80%の削減が求められる。NOx規制の対応技術としては,選択式触媒還元(SCR)システムや排ガス再循環(EGR)システム,液化天然ガス(LNG)など,環境負荷を低減するシステムや燃料の利活用が挙げられる。国内ではダイハツとヤンマーなどが3次規制に対応するSCRシステムを取り扱っている。ダイハツのSCRシステムは2本の排気経路があり,操作パネルのスイッチを押すだけで触媒を通す経路と通さない経路を自動で切り替えることができる。ヤンマーではSCRシステムの自社開発に取り組み,外航船の発電用エンジンとセットにした形でNOx3次規制適合商品を2015年に完成させた。触媒ラインとバイパスとの分岐部から反応器までをユニット化した。三井造船では,他社と共同でNOx3次規制に対応する高圧EGRシステムを開発した。現時点では,大型舶用低速ディーゼル機関向けLSF-EGRの国内商用初号機を含めて2隻を受注している。複数の環境対応技術を組み合わせた装置も開発されている。川崎重工業の「K-ECOS」は,NOx3次規制を満たすとともに,二酸化炭素削減に寄与する低燃費も追求するシステムである。