抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヒマラヤの4つの地質帯を画するプレート境界断層の活動が,北から南へと移動するのに伴い山脈は上昇・隆起してきた。大陸衝突以前に深度100kmを超えるマントルまで沈み込んだテチス海の海洋プレートがslab break-offしたことにより,約50~35Maにチベット前縁山地が急激に上昇した。次にインド亜大陸の北縁の上部原生界の地層が沈み込み,地下約40kmに達し中圧型の変成作用を被ったが,デラミナーションを起こし,22~16Maに急激に上昇した。約15Maに地表に露出した変成帯は上昇を続け,南方のレッサーヒマラヤを構造的に覆い変成岩ナップを形成したが,その運動は11~10Maに停止した。それ以降ナップと下盤の弱変成したレッサーヒマラヤ堆積物は,その先端から北方に向け約10km/Myrの速度で冷却した。また運動停止後,その前縁に生じたMBTに沿ってインドプレートの沈み込みが始まり,3~2.5Maには南方のMFTに移動し,それによってヒマラヤ前縁山地とシワリク丘陵が誕生した。(著者抄録)