抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,畳み込み混合に対する優決定ブラインド音源分離を扱う。独立低ランク行列分析(ILRMA)は,周波数領域独立成分分析や独立ベクトル分析(IVA)で仮定する音源分布の時間周波数構造を,非負値行列分解(NMF)によってモデル化する手法であり,特に周波数成分の共起が顕著な音楽信号に対して,高い分離性能を発揮する手法として注目を浴びている。本稿では,音声信号に対する分離性能の向上を目的に,ILRMAの音源モデルにおいて,音声信号の有する近傍周波数間の強い高次相関を陽にモデル化することを考える。加えて,ILRMAの分離性能のさらなる向上に向けて,ILRMAの音源モデルに,確率分布の尖度を調節可能な,多変量複素指数べき分布(multivariate complex exponential power distribution)の導入を検討する。性能評価実験において,音声信号に対する提案手法の有効性と課題を確認する。(著者抄録)