抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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背景:水熱液化(HTL)はバイオマスからのバイオ油生産のためによく研究されてきた。しかし,HTLプロセスの間に,高い有機含有量を持つ多量の廃水も生産される。今回の研究は,種々の温度(170~320°C)と滞留時間(0.5~4h)で稲藁のHTLから発生した水熱液化廃水(HTLWW)のメタンの可能性について調べた。HTLWWの特性(例えば,総有機含有量,有機化学種,分子サイズ分布など)を研究し,同時に,HTLWWのAD中に含まれる微生物群組成を分析した。結果:200°C×0.5hの試料からは314mLCH
4/gCODの最高のメタン収率が得られたが,320°C×0.5hの試料からは217mLCH
4/gCODの最も低いメタン収率を得た。これらの結果は,200°C×0.5hの試料と比べて,320°C×0.5hの試料中により多量の難生物分解性有機物(フラン,フェノールなど)と低い量の易生物分解性有機物(砂糖や揮発性脂肪酸)が存在することと合致した。サイズ分布分析は,320°C×0.5hの試料は1kDa(79.5%)以下の分子サイズの有機物をより多く含むことを示した。更なる研究は,200°C×0.5hの試料で,難生物分解性有機物が1kDaより高い分子サイズの有機物中に存在することを示した。対照的に,320°C×0.5h試料では,それらの有機物は1kDaより高いと低い分子サイズの両方に存在していた。微生物群分析は,異なる有機組成のため,異なるHTLWW試料のADの間に種々の微生物群組成が確立されたことを示した。例えば,Petrimonas(砂糖を分解することができた)には,320°C×0.5h(7%)に比較して試料200°C×0.5h(20%)のAD中でより豊富であった。Petrimonasの豊富さは200°C×0.5h試料中の砂糖の高い含有量と一致していた。類概念Syntrophorhabdusはフェノールを分解できて,320°C×0.5h試料のAD中の富化はHTLWWのフェノールの最高含有量に関連づけられるだろう。結論:温度と滞留時間のようなHTLパラメータは稲藁のHTLから得られたHTLWWの生分解性に影響した。難生物分解性有機物はHTL温度の増加と共に生産された。また,ADの間の微生物群組成はHTLWW試料中の異なる有機組成で影響を受けた。(翻訳著者抄録)