抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,歩行運動をはじめとするリズム運動における,位相リセット制御の機能的役割が着目されている。位相リセット制御とは,リズム運動中に摂動が生じたときに,そのタイミングに応じてリズム運動の位相をシフトさせることによって,系を不安定状態から安定状態に速やかに遷移させる制御機構のことである。位相リセットにおける位相シフトを定量的に評価するものとして,位相反応曲線(Phase Response Curve;PRC)が知られている。先行研究において,歩行運動に最適なPRCが強化学習により獲得されており,一般的なリミットサイクル振動子のPRCとは異なる双峰性の特性となることが示されている。このことは実験的に得られた実測結果とも整合している。しかし,なぜそのような特性が得られるかは明らかにされていない。そこで本研究では,歩行運動に最適なPRCが生じる条件を数理的な視点から考察したい。まず,リズム運動を司るCentral Pattern Generator(CPG)のモデルとして,区分線形振動子と位相神経素子を考え,それらと単振子や二重振子を組み合わせたフィードバックシステムを構成する。次に,それらのシステムのPRCを数値的に求め,双峰性の特性となることを示す。これらの結果から,リズム運動に最適なPRCが得られるための条件について議論したい。(著者抄録)