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J-GLOBAL ID：201702291035917543   整理番号：17A0653980

ネッタイシマカでの進化によるジカウイルス感染力の上昇

Evolutionary enhancement of Zika virus infectivity in Aedes aegypti mosquitoes

著者 (17件)： LIU Yang (Tsinghua Univ., Beijing, CHN) ,  LIU Jianying (Tsinghua Univ., Beijing, CHN) ,  DU Senyan (Tsinghua Univ., Beijing, CHN) ,  NIE Kaixiao (Tsinghua Univ., Beijing, CHN) ,  ZHANG Rudian (Tsinghua Univ., Beijing, CHN) ,  CHENG Gong (Tsinghua Univ., Beijing, CHN) ,  LIU Yang (Shenzhen Center for Disease Control and Prevention, Guangdong, CHN) ,  LIU Jianying (Shenzhen Center for Disease Control and Prevention, Guangdong, CHN) ,  ZHANG Renli (Shenzhen Center for Disease Control and Prevention, Guangdong, CHN) ,  WANG Tao (Shenzhen Center for Disease Control and Prevention, Guangdong, CHN) ,  CHENG Gong (Shenzhen Center for Disease Control and Prevention, Guangdong, CHN) ,  SHAN Chao (Univ. Texas Medical Branch, Texas, USA) ,  SHI Pei-Yong (Univ. Texas Medical Branch, Texas, USA) ,  LI Xiao-Feng (Beijing Inst. of Microbiology and Epidemiology, Beijing, CHN) ,  QIN Cheng-Feng (Beijing Inst. of Microbiology and Epidemiology, Beijing, CHN) ,  WANG Tao (Southern Univ. Sci. and Technol., Guangdong, CHN) ,  WANG Penghua (New York Medical Coll., New York, USA)
資料名： Nature (London)  (Nature (London))
巻： 545  号： 7655  ページ： 482-486  発行年： 2017年05月25日 
JST資料番号： D0193B  ISSN： 0028-0836  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： イギリス (GBR)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： ジカウイルス(ZIKV)は,最近の爆発的大発生[フランス領ポリネシア(2013~2014年)や南米(2015~2016年)]まで,あまり知られていなかった。系統発生学的研究から,ZIKVはアフリカ系統およびアジア系統に進化したことが示されている。ZIKVのアジア系統は最近の南北アメリカ大陸での流行の原因であった。しかし,ZIKVがアジアから南北アメリカ大陸に迅速かつ爆発的に拡大した原因となる機構は解明されていない。NS1(non-structural protein1)は,感染した哺乳類宿主から蚊がフラビウイルスを獲得するのを促進し,次に,蚊でのウイルス保有率を上昇させる。今回我々は,吸血によりZIKVを獲得する媒介動物であるネッタイシマカ(Aedes aegypti)において,NS1抗原血症がZIKVの感染力を決定することを示す。南北アメリカ大陸での一番最近の大発生で得られた臨床分離株は,2010年にカンボジアで分離されたFSS13025株より蚊での感染力が高まっていた。さらなる解析から,これらの流行株は,NS1の188番目のアラニン残基のバリンへのアミノ酸置換が起こっていたため,FSS13025株よりNS1抗原血症が亢進していることが分かった。I型およびII型のインターフェロン(IFN)受容体を欠損するウイルス血症C57BL/6マウス(AG6マウス)からZIKVを獲得した蚊では,ZIKV FSS13025株におけるこのアミノ酸置換によりZIKV感染力が高まっていた。我々の結果から,ZIKVが進化してNS1タンパク質に自然に生じる変異を獲得したことで,NS1抗原血症が亢進したことが明らかになった。感染宿主でのNS1抗原血症の亢進はZIKVの感染力や保有率を高め,これが最近のZIKV流行の際に伝播を促進した可能性がある。Copyright Nature Japan KK 2017

シソーラス用語： *ネッタイシマカ ,  *性質 ,  *フラビウイルス科 ,  *ウイルスタンパク質 ,  臨床分離菌 ,  *塩基対置換 ,  アミノ酸残基 ,  *ウイルス血症 ,  マウス ,  実験動物 ,  インターフェロン ,  *比率 ,  *生物進化 ,  サイトカイン受容体
準シソーラス用語： C57BL/6マウス ,  *NS1抗原血症 ,  *NS1蛋白質 ,  *アミノ酸置換 ,  アラニン残基 ,  インターフェロンII型 ,  インターフェロンI型 ,  インターフェロン受容体 ,  *ウイルス進化 ,  *ジカウイルス ,  バリン残基 ,  *感染力 ,  *保有率 ,  臨床分離株

分類 (3件)： ウイルスの生化学  (EG04030F) ,  遺伝子の構造と化学  (EC02020U) ,  進化論一般  (EC03010Q)

タイトルに関連する用語 (4件)： ネッタイシマカ ,  進化 ,  ジカウイルス ,  感染力