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J-GLOBAL ID:201702291151138960   整理番号:17A0521693

上皮のトポロジカル欠陥が細胞の死や押し出しを決定している

Topological defects in epithelia govern cell death and extrusion
著者 (15件):
資料名:
巻: 544  号: 7649  ページ: 212-216  発行年: 2017年04月13日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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上皮組織(上皮)は過剰な細胞を押し出しにより取り除くことで,不要な細胞あるいは病的な細胞の蓄積を防いでいる。この押し出し過程は,アポトーシスのシグナル伝達,発がん性形質転換,および細胞の過密状態が引き金となり得る。細胞の押し出しは,発生過程,恒常性過程,がんの転移などの病理学的過程と重要な関連があるにもかかわらず,そうした関連の基盤となる機構や,上皮に固有な力学的性質とのつながりはほとんど解明されていない。我々はこの問題に取り組むために,上皮を活性なネマチック液晶(長距離の配向秩序を持つ状態)としてモデル化し,数値シミュレーションの結果と,MDCK(Madin Darby canine kidney)細胞の単層内におけるひずみ速度および応力の測定値とを比較した。今回我々は,アポトーシスによる細胞の押し出しが,細胞配列の特異点,すなわち彗星形のトポロジカル欠陥によって誘発されることを示す。異なる種類の上皮で,押し出しが起こる部位と細胞の配向場のネマチック欠陥の位置の間には普遍的な相関があることが分かった。この結果は,上皮の活性なネマチック性を裏付けるものであり,また,欠陥によって誘導される等方性応力が,YAP(Yes-associated protein)転写因子活性,カスパーゼ-3を介した細胞死,押し出しなど,細胞のメカノトランスダクションによる応答の重要な前駆要因であることが示された。重要なことに,欠陥によって誘発される押し出し機構は細胞間結合に依存している。なぜなら,αカテニンをノックダウンした単層で細胞-細胞間の相互作用が弱まると,欠陥サイズが低下し,欠陥の数と押し出し速度の両方が増加するからであり,これは我々のモデルからも予測される。我々はさらに,パターンのある単層のマイクロコンタクトプリンティングによって欠陥を幾何学的に誘導することで,押し出しのホットスポットを制御できることを示す。我々は,これらの結果に基づき,アポトーシスによる細胞の押し出し機構の1つとして,上皮に自然に生じたトポロジカル欠陥が細胞の運命を支配するという機構を提案する。これは,in vivoでの押し出しのホットスポットや動態の予測に重要になると考えられ,組織再生や転移の抑制に応用できる可能性もある。加えて,上皮と活性なネマチック液晶の類似性は,細胞過程と上皮の材料特性の間のつながりに関するさらなる研究の引き金になると期待される。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (2件):
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発生・成長の生理一般  ,  生体系モデル一般 
タイトルに関連する用語 (5件):
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