抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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カイコでは系統保存のため,幼虫の未成熟な生殖巣の凍結,雄成虫から回収した精子を凍結,産下した卵を凍結するなどの凍結保存技術が行われていた。卵巣の凍結保存技術をベースに新たな操作を加えることで,系統の長期保存が可能となった。実験動物のエリサンは休眠せず,年間を通して飼育する必要があり維持が大変であった。エリサンの凍結保存した卵巣や精巣は,移植により産卵や受精能が確認され,生殖巣の凍結保存技術はカイコ以外の昆虫にも応用できることが示された。また野外に生息するシンジュサンでもこの技術が適用できた。多くの昆虫種は絶滅の危機に瀕しており,野外昆虫の復元のため,凍結保存技術が利用可能であると考えられた。凍結保存した生殖巣を移植した個体から孵化幼虫を得るには,産卵可能な雌個体と受精能力のある雄個体の組み合わせで交配させる必要がある。シンジュサンの生殖巣の移植では,近縁種のエリサンに移植し交配させることができる。絶滅した昆虫種の復元を想定した場合,現存する近縁種をその母体として利用できると考えられた。