抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,前浜の海面の生態的機能の価値が注目されており,「藻場」の持つ多面的な機能は水産業界でも見直されつつある。本研究では藻場の生態的価値を検証する取り組みの一環として,鳥取県中部の泊漁港内のアマモ場を調査した。方法としては多項目水質計を海中に降ろし,水質を測定し,潜水によってアマモの繁茂の有無を観察した。また小型甲殻類の採集と分布魚類の観察を行った。アマモの被度と密度については季節推移に伴う増減は認められなかったが,葉長は9月以降低下する傾向がみられた。アマモ場は他海域と同様夏場の高水温期を境に衰退する傾向が確認されたが世代交代による新規個体が加入し群落全体は維持されていると考えられる。一方,小型甲殻類のうち優占種の採集密度は大きく減少し,総採集密度も比例して減少する傾向が認められ,アマモ場における小型甲殻類の収容力は,アマモの現存量の増加に比例する可能性が示唆された。今後も魚類の出現動態についてより詳細な調査を行うとともに,これらの食性解析などを行うことによって,アマモ場の魚類の生育上としての重要性が明らかにできるものと考えられる。