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J-GLOBAL ID：201702299063781139   整理番号：17A0777340

走査トンネル顕微鏡で見る近藤効果:Au(111)表面上の鉄フタロシアニン分子を例として

Surface Kondo Effect Observed by STM; Iron Phthalocyanine Molecules on Au(111)

著者 (2件)： 塚原規志 (東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻) ,  塚原規志 (マックスプランク研究所)
資料名： Journal of the Vacuum Society of Japan  (Journal of the Vacuum Society of Japan)
巻： 60  号： 5  ページ： 165-169(J-STAGE)  発行年： 2017年 
JST資料番号： G0194A  ISSN： 1882-2398  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 近藤効果は,微量の磁性不純物を含む非磁性金属において,伝導電子スピンが磁性不純物の電子スピンを遮蔽する現象である。非磁性金属表面に吸着した磁性原子や分子でも近藤効果が現れ,吸着原子分子スピンが基板電子スピンによって遮蔽される系が存在する。筆者のグループでは,Au(111)表面に吸着した鉄フタロシアニン(FePc)分子が示す特異な近藤効果の検証,FePc分子へのCO,NO分子配位を利用したスピン状態の制御に成功した。本稿では,STMによる近藤効果の検出と,スペクトルから得られる分子スピンに関する解釈について紹介する。特に,スペクトルに現れるゼロバイアス異常を近藤共鳴であると帰属するための実験的検証と,CO,NO配位で生じる分子スピンの変化とその検出に焦点を当てる。

シソーラス用語： *走査型トンネル顕微鏡 ,  *Kondo効果 ,  金 ,  *吸着 ,  *鉄錯体 ,  *フタロシアニン錯体 ,  *スピン ,  一酸化炭素 ,  一酸化窒素 ,  *効果
準シソーラス用語： 走査トンネル顕微鏡 ,  分子スピン ,  *配位効果

分類 (3件)： 物理的手法を用いた吸着の研究  (CB12043P) ,  鉄の錯体  (CE01091H) ,  その他の無機化合物の磁性  (BM06060P)

引用文献 (25件)：

• 1) J. Kondo: Prog. Theor. Phys., 32 (1964) 37.
• 2) A. C. Hewson: The Kondo Problem to Heavy Fermions (Cambridge University, Cambridge, England, 1993).
• 3) D. Goldhaber-Gordon, H. Shtrikman, D. Mahalu, D. Abusch-Magder, U. Meirav and M. A. Kastner: Nature (London), 391 (1998) 156.
• 4) W. Liang, M. P. Shores, M. Bockrath, J. R. Long and H. Park: Nature (London), 417 (2002) 725.
• 5) J. Li and Wolf-Dieter Schneider: Phys. Rev. Lett., 80 (1998) 2893.

タイトルに関連する用語 (5件)： 走査トンネル顕微鏡 ,  近藤効果 ,  Au ,  鉄フタロシアニン ,  分子