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J-GLOBAL ID:201802210126358882   整理番号:18A1758486

既往の予測式との比較に基づく2016年熊本地震の長周期パルスと永久変位に関する研究

STUDY ON LONG-PERIOD PULSE AND PERMANENT DISPLACEMENT OF THE 2016 KUMAMOTO EARTHQUAKE BASED ON COMPARISON WITH PREVIOUS PREDICTION EQUATIONS
著者 (1件):
資料名:
巻: 83  号: 750  ページ: 1117-1127(J-STAGE)  発行年: 2018年 
JST資料番号: F0393B  ISSN: 1340-4202  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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著者らは,Mw7.0の2016年熊本地震の近断層領域の強震記録から静的変位と長周期パルスを推定し,それらを以前の予測方程式と比較した。さらに,著者らは,特徴における予測方程式の改良または開発を目的として,以前の方程式にとって未使用の観測データと他のパラメータとの関係を調べた。K-NET,KiK-net,JMA-95型および地方自治体の強震記録の加速度時刻歴から,速度と変位の時刻歴を導出した。次に,静的変位Dp,長周期(>2秒)速度パルスの周期Tpおよび最大Dp方向(Fling-P)に対するPGVを推定した。距離がおよそ0kmの西原村のFling-P成分のTpは2.6秒であり,距離が15km未満の8つの観測点のTpの平均は3.1秒であった。距離が30km未満の16観測点のTpの平均は4.0秒であった。S波部分における1つの余弦型パルスが極めて近い断層領域で観測された。他方,15kmより長い距離を有する観測点においては,P波とS波部分の間でFlingステップが開始されるため,Tpはより長くなった。Kamaiら(2014)およびBurksとBaker(2016)による方程式から予測したTpは,それぞれ5.5秒および3.5秒であった。これらの2つの方程式を,30km未満または以上の距離があるデータを用いて開発し,Mwだけによってモデル化した。Kamaiらは,シナリオ地震に対する合成データを使用した。BurksとBakerは,合成データと強震記録の両方を使用した。しかし,日本の地殻内地震に関する記録は用いられなかった。予測子の1つとして距離およびデータとして熊本地震から入手したTpを使用することによって,Tp方程式を改良することができた。垂直成分のTpは,Fling-P成分のTpとほとんど同じであった。Fling-Pと垂直成分のPGVは,平均して以前の方程式と一致した。しかし,西原村のFling-P成分のPGVは277cm/sであり,それはSiとMidorikawa(1999)による方程式の平均プラス標準偏差よりで大きかった。直交成分に対するFling-P成分のPGV比は,1km未満の距離を有する3つの観測点で2または2.5倍であり,距離が長くなるにつれて1に向けて小さくなった。西原村の垂直成分のPGVは152cm/sであった。これは,Satoh(2008)による方程式の平均プラス標準偏差より大きかった。西原村で観測されたFling-P成分のDpは154cmであった。Mwを用いて平均滑りを予測した以前の4つの方程式による予測Dpは,0kmの距離で80~90cmであった。他方,断層面積とMwを用いて平均滑りを予測した予測Dpは,0~30kmで観測されたDpと一致した。最良の方程式で予測したDpは,0kmの距離において141cmであり,上盤側の10kmの距離においては56cmであった。断層縁からの走向方向に沿った距離の比が小さいとき,観測されるDpはより小さくなった。この特徴は,多くの断層の破裂変位の点測定から滑り分布のために開発した以前の破壊形状モデルと一致した。このパラメータは,Dp方程式を改良する良い予測子となると思われる。西原村の垂直成分のDpは179cmである。しかし,法線滑りを考慮した垂直成分のためのDpとTpの方程式が全くなかった。(翻訳著者抄録)
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分類 (2件):
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地震学一般  ,  自然災害 
引用文献 (40件):
  • 1) Iwata, T. : Analysis of strong motion records observed at Miyazono in Mashiki town and Komori in Nishihara village, from http://sms.dpri.kyoto-u.ac.jp/topics/masiki-nishihara0428ver2.pdf (accessed 2017.11.8) (in Japanese)
    岩田知孝 : 益城町宮園・西原村小森 本震記録の解析, 入手先, http://sms.dpri.kyoto-u.ac.jp/topics/masiki-nishihara0428ver2.pdf, (参照2017.11.8)
  • 2) Irikura, K. and Miyake, H. : Prediction of strong ground motions for scenario earthquake. Journal of Geography, Vol. 110, pp. 849-875, 2001 (in Japanese)
    入倉孝次郎, 三宅弘恵: シナリオ地震の強震動予測, 地学雑誌, Vol. 110, pp. 849-875, 2001
  • 3) The Headquarters for Earthquake Research Promotion : Strong ground motion prediction method for earthquakes with specified source faults (“Recipe”), from http://www.jishin.go.jp/main/chousa/17_yosokuchizu/recipe.pdf (accessed 2017.11.8) (in Japanese)
    地震調査研究推進本部: 震源断層を特定した地震の強震動予測(「レシピ」), 入手先, http://www.jishin.go.jp/main/chousa/17_yosokuchizu/recipe.pdf (参照2017.11.8)
  • 4) Tanaka, S. et al. : Source modeling for the prediction of long-period strong motions with fault-slip near the surface fault, Proc. 13th Annual Meeting of JAEE, P1-1, 2017.11 (in Japanese)
    田中信也ほか: 地表地震断層近傍における断層変位を含む長周期成分の地震動評価のための震源モデルの設定, 日本地震工学会第13回年次大会梗概集, P1-1, 2017.11
  • 5) Irikura, K. and Kurahashi, S. : Extension of the characterized source model for the long-period strong motion prediction in the near-fault region, -Verification by near-fault ground motions of the 2016 Kumamoto earthquake (Mw7.0), Proc. 13th Annual Meeting of JAEE, P3-2, 2017.11 (in Japanese)
    入倉孝次郎, 倉橋奨: 震源断層近傍の長周期地震動評価のための特性化震源モデルの拡張-2016年熊本地震(Mw7.0)の断層近傍地震動による検証-, 日本地震工学会第13回年次大会梗概集, P3-1, 2017.11
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