抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,靖国神社能楽堂の観客席に対する現代的変換の過程の解明と能楽堂の観客席に対する考察である。それは,座席のタイプとそれらの寸法,観客の社会的クラス,及び観覧姿勢の変化を分析することに焦点を合わせる。まず,本研究では,既存の第1期と第2期の平面計画に存在した客席を用いて,座席区域の変化を分析した。この考察は以下の5つの点に基づいている:客席における座席の数,座席の寸法,座席の列数,通路の数,及び階段の段数。まず第一に,座席と座席列,通路の数と客席内の階段の段数が増加し,一方,座席の長さと幅が減少したことを確認した。次に,客席部分を分析した。客席部分は,現在,以下の区域に分割される。すなわち,「正面」,「脇正面」,及び「地裏」である。第2期の改造計画において,「砂利場」区域のみが計画されていることが確定している。各区域分割には明確な機構を持つ相互境界があり,この解析が通路配置に焦点を合わせていることが分かった。さらに,舞台出口の位置が変化したので,これが能舞台からの通路が対角配置にある主な理由であることを確認することができた。しかし,上記の解析において「砂利場」区域が計画されている理由は明確ではないので,座席測定と区域分割の関係を分析することを中心とした。第2期改修計画において,座席寸法とそれぞれの区域分割の間に相関があり,それが,「砂利場」区域に最も短い座席長さに割り当てられた理由である。座席当たりの人数は座席寸法によって影響されるので,これは人数の設定が性能を許容することを促した。その結果,まず第一に,座席当たりの人々の数は5人から4人に減少した。また,上位席をエリート社会クラスからの観客のみに制限しない傾向が始まった。これらの現象は,上記の客席区分における変化を支持する。さらに,個別席の導入により,観客のタイプの多様化の傾向をさらに確認した。結果として,区域分割の変換と座席寸法の変化の間に関連があり,それは座席当たりの人数の減少により影響された。上記の傾向で実証された最も重要なことは,機能主義の理念と視野環境の均質化と共に,階段の段数と通路の拡大が,既存の座席における小さな変化に従って,観覧スタイルの多様化と区域分割の形成が試みられたことである。この傾向は,舞台入場口と椅子座席のような現代の設備を導入することによって,現代的劇場の全体の観客席の均質化が明らかになるが,能楽堂の観覧の明白な転換点も確立する。(翻訳著者抄録)